企業の生成AI導入に関して独自調査を実施、企業の76.5%が生成AI未導入という結果に。
株式会社デイトラ(所在地:東京都豊島区、代表取締役:大滝昇平、以下「デイトラ」)は、企業における生成AI導入の現状を把握し、導入の妨げとなっている原因を特定するため、インターネット上で1,447名を対象に調査を実施しました。調査結果から、現在企業の76.5%が生成AIを活用していないことが明らかになり、導入に向けた課題として導入コストや技術的な難しさが主な障壁となっていることが判明しました。
調査概要
- 調査目的:企業の生成AI導入の現状を把握し、導入の妨げとなっている原因を特定する。
- 調査方法:株式会社デイトラが、インターネット上で1,447名の会社員を対象に調査を実施。
- 調査期間:2024/7/5-2024/7/6
調査対象:会社員
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:1447名
≪利用条件≫
- 情報の出典元として「株式会社デイトラ」の名前を明記してください。
- ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクの設置をお願いいたします。
URL:https://daily-trial.co.jp/
調査結果
1.生成AI活用状況
- 企業全体での回答は以下:
- 活用している11.5%
- 検検討中12.0%
- 活用していない76.5%
- 個人レベルでの回答は以下:
- 活用している9.1%
- 検検討中10.5%
- 活用していない80.4%
2.分野別活用度合い
分野別活用度合い(積極的に活用+部分的に活用)の結果:
- 顧客サービス:13.1%
- マーケティング:10.6%
- 製品開発・研究:8.9%
- 業務効率化・自動化:11.6%
- 人事・採用:7.9%
- 財務・会計:8.4%
3.生成AI活用による主な効果(複数回答)
生成AI活用による主な効果(複数回答)の結果:
- 業務効率の向上:39.8%
- コスト削減:38.0%
- 従業員の生産性向上:23.4%
4.生成AI活用における主な課題(複数回答)
生成AI活用における主な課題(複数回答)の結果:
- 導入コスト:33.7%
- 技術的な難しさ:31.9%
- 従業員のスキル不足:30.7%
5.今後2年間の生成AI投資予想
今後2年間の生成AI投資予想に対する結果:
- 増加(大幅増加+やや増加):28.0%
- 変化なし:61.4%
- 減少(大幅減少+やや減少):10.6%
調査結果のポイント:
- 企業の約4分の3が生成AIを活用していない現状
- 顧客サービスと業務効率化が生成AI活用の主要分野
- 業務効率向上とコスト削減が主な導入効果
- 導入コストと技術的難しさが主要な課題
- 今後2年間で約3割の企業が生成AI投資を増加予定
結果の考察
- 生成AI導入の現状:
企業の76.5%、個人レベルでは80.4%が生成AIを活用していないという結果は、多くの企業がまだ導入段階にないことを示しています。一方で、企業レベルで23.5%(活用中11.5% + 検討中12.0%)が何らかの形で生成AIに取り組んでいることは、今後の成長の可能性を示唆しています。 - 活用分野の偏り:
顧客サービス(13.1%)と業務効率化・自動化(11.6%)の分野で比較的高い活用率が見られます。これは、これらの分野が生成AIの即時的な効果を得やすい領域であることを示唆しています。一方で、人事・採用(7.9%)や財務・会計(8.4%)での活用率が低いのは、これらの分野でのAI活用にはより慎重なアプローチが必要とされているためと考えられます。 - 効果と課題のバランス:
生成AI活用による主な効果として、業務効率の向上(39.8%)とコスト削減(38.0%)が挙げられています。しかし、同時に導入コスト(33.7%)と技術的な難しさ(31.9%)が主な課題として指摘されています。この結果は、生成AIの潜在的な利点と実際の導入障壁がほぼ拮抗していることを示しており、多くの企業が導入の判断に迷っている状況を反映しています。 - スキルギャップの存在:
従業員のスキル不足(30.7%)が主要な課題の一つとして挙げられていることは、人材育成の重要性を示しています。一方で、従業員の生産性向上(23.4%)が主な効果として認識されていることから、適切な教育投資により、この課題を克服できる可能性が高いと言えます。 - 将来の投資動向:
今後2年間で28.0%の企業が生成AI投資を増加させる予定であるのに対し、61.4%が変化なしと回答しています。この結果は、多くの企業が様子見の姿勢を取っている一方で、約3分の1の企業が積極的な姿勢を示していることを意味します。この先駆的な企業群の成功事例が、他の企業の導入判断に大きな影響を与える可能性があります。 - セキュリティと倫理的懸念:
セキュリティリスク(25.8%)や法的・倫理的問題(17.6%)も無視できない課題として挙げられています。これらの懸念が、特に財務・会計(8.4%)や人事・採用(7.9%)といった機密性の高い分野での導入を遅らせている可能性があります。
まとめ
本調査結果から、日本企業における生成AI導入はまだまだ初期段階にあることが明らかになりました。しかし、今後2年間で回答者のうち約3割の企業が投資を増加させる予定であることから、徐々に導入が進んでいくと予想されます。生成AI導入の課題を克服し、その潜在的な利点を最大限に活用するためには、企業、技術提供者、教育機関が連携し、導入障壁を低減させていくことが重要です。今後、より多くの成功事例が蓄積されることで、生成AIの導入がさらに加速することが期待されます。
デイトラ今後の展望
デイトラはこのたび、AIに関する最新情報について学びながらキャッチアップができるサイト「AI業務大全」を公開いたしました。さらに当サイトでは、「AI実践道場」と題した、AIの実用的な使い方について、ローププレイング形式で学習できる無料講座を提供しています(※)。本講座は、AI技術を業務効率化に活用したいビジネスパーソンを対象とし、日々の実践的な課題を通じてAI活用スキルを習得できる内容となっております。また当講座は、今回の調査で明らかになった従業員のAIスキル不足(30.7%)という課題に対応するものです。今後は当講座の内容をさらに拡充し、多様な業種・職種に対応したカリキュラムを順次開発してまいります。
AI技術の急速な進化に伴い、ビジネス環境も大きく変化しております。当社は最新のAI動向を踏まえた実践的な学習機会を提供し、デイトラは本取り組みを通じ、日本企業のAIリテラシー向上に貢献してまいります。
(※)参照:「AI実践力を無料で身につける「AI実践道場」を公開〜毎日の課題でビジネスパーソンのAI活用スキルを向上〜」